交差点とナンパ2

彼女の仕事終わりの時間に連絡を入れた。

「お疲れ様。今電話出来る??」

彼女から電話がかかってきた。

「お疲れ様です。どうしたんですか?」

「いつ飲みに行くか決めようと思って。ところで今日はどんな一日だった?」

「いつもと変わらないですけど、あっ昼に変な人に声かけられました」

「イケメンに声かけられたの間違いでしょ。まだ○○?じゃー○○に来なよ。チーズが美味いイタリアンバルあるんよ。」

「えーどうしようかな?」

この声は俺の反応を見ているだけだ。
彼女は恐らくそこそこの男性経験があるのだろう。男のからかい方がうまい。

「心配しなくてもちゃんと薄暗くて口説くのにバッチリなバルだから安心して」

「それ余計に不安になるんですけど」

「でも口説くか決めるのはもっと知ってからだけどね」

「そんな事言われて口説かれなかったら私、惨めじゃないですか」

「今から出れる?8時に○○駅に集合ね」

仕事終わりの開放感からかテンポの良い会話が生まれ、笑いも出ている。
どちらかと言えば僕自身も純粋に会話を楽しんでいた。

駅前、約束の時間。
ここで想定外のことが発生。

彼女を見つけた直後、近くにいた男性が声かけ。

一瞬こちらを確認したあと、彼女は男性と話しだした。

完全に試されている。
しかしこのテストを超えない限り、今夜のゲットは無いだろう。

ナンパが終わるまで待つか?
何事も無かったように彼女の前に立ち連れていくか?
近くにいる女性に声をかけるか?

躊躇するな。